今野涼二のすべて。 第11回 / 全16回
Uber Eats、5,000件の配達
オーストラリアでは、Uber Eatsの配達員として働いた。
配達件数は約5,000件。
一日に10時間近く走ることもあった。
転倒した回数は16回。
交通事故にも遭った。
決して格好のよい話ではない。
日本ではスーツを着て、高額な不動産を扱っていた。
その私が、異国の街を配達バッグとともに走っている。
しかし、不思議と、この経験を恥ずかしいとは思わなかった。
働くことに、格好よいも悪いもない。
どんな仕事にも、その仕事を必要とする人がいる。
それ以上に、どんな環境であっても、生きるために行動し続けることの大切さを知った。
オーストラリアでは、ボディビルの大会にも出場し、3位という結果を残した。
環境が変わっても、自分を鍛えることだけはやめたくなかった。
私がこの10カ月で得たのは、流暢な英語や海外生活の思い出だけではない。
何もない状態からでも、また始められるという感覚だった。
日本で積み上げた肩書がなくても、私は私である。
人間の価値は、過去の実績だけでは決まらない。
今日、何をするかで決まる。
それを、身体で学んだ。