今野涼二のすべて。 第6回 / 全16回
日本体育大学、裏方としてつかんだ日本一
高校卒業後、日本体育大学に進学した。
硬式野球部では、データ班のアナリスト、学生コーチとしてチームに関わった。
私にとって大きな転機だった。
野球という競技は、どうしてもグラウンドで活躍する選手に光が当たる。
しかし、チームが勝つためには、表に出ない人間の仕事も欠かせない。
データを分析する。
相手の傾向を調べる。
勝つ確率を少しでも高めるために、必要な情報を整理する。
そこに感情論だけではない、論理的な思考が求められた。
2017年、チームは明治神宮野球大会で優勝し、大学日本一となった。
あの経験は、私にとって大きな財産である。
ただし、日本一という結果だけが財産なのではない。
自分が主役でなくても、チームの勝利に貢献できる。
この事実を体験できたことが大きかった。
それまでの私は、自分が前に出て引っ張ることがリーダーシップだと思っていた。
しかし、組織が勝つための役割は一つではない。
人にはそれぞれ強みがあり、それを組み合わせることで組織は強くなる。
現在、会社を経営するうえでも、この経験は生きている。
自分が目立つことと、組織が勝つことは、必ずしも同じではない。